第1163号 令和元年台風第十九号に関する意見書
議決年月日:令和元年12月16日
議決結果:可決
令和元年台風第十九号に関する意見書
十月の台風第十九号は、浸水被害や土砂災害など、全国各地に甚大な被害をもたらした。
本県においても、多くの箇所で河川の氾濫や土砂災害が発生し、約一万三千棟の家屋が、全壊・半壊、床上・床下浸水等の被害に遭っただけでなく、農林水産業、商工業などに加え、道路や公共施設等の社会インフラに甚大な被害が生じたほか、観光への影響も深刻なものとなっている。
県は、早期の被災者の生活再建や被災地の復旧・復興に向け、県政全般において迅速な対応をする必要があるが、国、県及び市町の役割分担や、災害対策のソフト面・ハード面に様々な課題があることが明らかになった。
被災から二か月余りが経過したが、今後、被災者に寄り添った力強い復旧・復興を進めていくためには、国、県及び市町が一丸となって諸課題に取り組むことが求められている。
よって、国においては、次の事項に取り組むよう強く要望する。
記
一 被災者生活再建支援法の要件を満たさず、支援を受けられない被災者もいることから、一日も早い生活再建のため、既存制度の対象拡大や要件緩和など、弾力的な運用を行うこと。
二 医療施設、社会福祉施設、学校教育施設等の復旧・再開に向けて必要な支援を行うこと。
三 農林水産業、商工業などの早期事業再開のため、被災した建物、設備、機材等の復旧を支援する補助制度を拡充・新設するとともに、被災地の風評被害防止のため、被災地の観光振興に対する必要な支援を行うこと。
四 災害時においては、住民に対し確実に避難情報を伝達することが重要であり、特に、一人暮らしの高齢者や障害者等の要支援者への情報伝達には配慮が必要なため、住民の避難対策の一層の推進と併せ、要支援者の避難計画の策定を義務付けるとともに、必要な予算措置を行うこと。
五 広域的な災害発生時には、災害ごみを被災自治体だけで処理するには限界があるため、周辺自治体等と災害ごみの相互受け入れ体制を構築するための支援制度を創設すること。
六 国管理の河川と県管理の河川の合流地点における水位情報を適時当該エリアの住民等に配信できるよう、合流地点にカメラや水位計を設置すること。
七 被災地の切れ目ない復旧・復興の推進のため、復旧作業の進捗を見極めつつ、補正予算の編成について適切に判断すること。
八 防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策後について、更に強力に国土強靱化の取組を推進するため、引き続き必要な財源を確保すること。さらに、国の国土強靱化対策と連携して実施する地方の単独事業についても、継続的に財政的な支援を行うこと。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
令和元年十二月十六日
栃木県議会議長 早 川 尚 秀
内閣総理大臣
財務大臣
総務大臣
文部科学大
厚生労働大臣
農林水産大臣
経済産業大臣 あて
国土交通大臣
環境大臣
国土強靱化担当大臣
内閣府特命担当大臣
( 防 災 )
衆参両院議長