第1136号 介護人材の安定的な確保を求める意見書
議決年月日:平成29年12月18日
議決結果:可決
介護人材の安定的な確保を求める意見書
急速に少子高齢社会が進展する中で、介護サービスを安定的に提供していくための介護人材の確保・定着は、国・地方で共通した重要課題となっている。
しかし、いわゆる「団塊の世代」が七十五歳以上の後期高齢者となる二〇二五年に向けた介護人材の需給推計によると、介護人材の需要見込みが二百五十三万人であるのに対して、現状における供給見込みが二百十五万二千人であるとされ、約三十八万人の人材不足が生じる見込みとなっている。
要介護及び要支援の認定者数は、今後も増加することが見込まれ、それに伴う介護サービスの需要の増加に適切に対応するためには、賃金の引き上げ、キャリアパスの整備の促進等による処遇改善、ICTの活用等による労働環境の改善、外国人技能実習制度の活用等による多様な人材の参入促進など、総合的かつ計画的な介護人材の確保対策が求められる。
よって、国においては、介護人材を安定的に確保するため、次の事項について積極的に取り組まれるよう強く要望する。
記
一 介護職員処遇改善加算の拡充など、介護職員の賃金改善等の処遇について、更なる充実を図ること。また、介護が多様な職種の職員によるチームケアで行われている現状に鑑み、介護職員処遇改善加算の支給対象者について、介護職員以外への拡大を検討すること。
二 介護ロボット、ICT等の導入による労働環境の改善効果を検証し、その結果を踏まえて、介護報酬における介護人員・設備基準の見直しを行うこと。
三 外国人技能実習制度の導入に付随する手続に関し、受入施設等に対する支援を十分に行い、同制度の円滑な運用を図ること。また、介護は対人業務の職種であり、高い日本語能力が求められることから、技能実習生の日本語の習得の支援に取り組むこと。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十九年十二月十八日
栃木県議会議長 小 林 幹 夫
内閣総理大臣
財務大臣 あて
厚生労働大臣
衆参両院議長