第1129号 地方創生に向けた取組の推進に関する意見書
議決年月日:平成29年6月14日
議決結果:可決
地方創生に向けた取組の推進に関する意見書
少子高齢社会の急速な進展とともに、人口の東京一極集中が急速に進み、地方の活力の減退が危惧されている。そうした中、政府は、人口減少に歯止めをかけ、人口の東京一極集中を是正し、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくため、二〇一五年度から五年かけて取り組む「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定した。戦略では、現状で年間十万人超の東京圏への人口流入に歯止めをかけ、東京圏と地方の人口の転出入を均衡させるという目標を掲げ、地方への多様な支援を展開しているところである。
本県においても、国の動きに呼応して、人口減少問題を克服し、将来にわたり地域の活力を維持していくため、平成二十七年十月に「とちぎ創生15戦略」を策定し、これまで、都内に設置した「とちぎ暮らし・しごと支援センター」等を活用した移住定住に関する相談やUIターン就職促進協定校との連携等に取り組んできたところである。
しかしながら、総務省が発表した二〇一六年住民基本台帳人口移動報告によると、地方の転出超過に歯止めがかかっておらず、今年度は、総合戦略の中間年に当たるが、目標達成が厳しい状況となっている。人口の東京圏への一極集中は我が国全体の課題であり、各自治体の努力だけで解決できるものではなく、地方における移住定住の促進等の取組に加え、国による地方へのひとの流れの創出の取組が不可欠である。
よって、国においては、地方創生の更なる深化に向けて、次の事項について積極的に取り組まれるよう強く要望する。
記
一 東京一極集中の是正と地方の活力の維持に向け、中長期的視点に立って、国民的意識の醸成を図るとともに、更なる地方への企業移転促進対策、政府関係機関の地方移転の拡充、地方大学の振興など地方への新しいひとの流れづくりを一層強力に推し進めること。
二 地方創生の実現に向け、地方が地域の実情に応じて創意工夫を凝らし、自主性・独自性を最大限に発揮して取り組むための「まち・ひと・しごと創生事業費」及び「地方創生推進交付金」等の必要な財源措置を更に充実すること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十九年六月十四日
栃木県議会議長 小 林 幹 夫
内閣総理大臣
財務大臣
総務大臣 あて
まち・ひと・しごと創生担当大臣
衆参両院議長