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件名

第1127号 訪日外国人旅行者の誘客促進に関する意見書

本会議議決結果

議決年月日:平成29年3月23日
議決結果:可決

内容

   訪日外国人旅行者の誘客促進に関する意見書

 平成二十八年の訪日外国人旅行者数は、二千四百三万九千人と過去最多となり、滞在中の飲食、買い物、宿泊等の消費額も三兆七千四百七十六億円に達するなど、「観光立国」は成長戦略や地方創生における政策の重要な柱となっており、地方もこれまで、国と連携して積極的に誘客促進事業に取り組んできた。
 一方、外国人旅行者の多くは東京や大阪・京都を中心としたゴールデンルートに集中し、地方にはその恩恵が十分に行き渡っていない。また、これらの地域では、宿泊施設の不足や宿泊価格の高騰などが懸念されている。
 栃木県には、世界遺産「日光の社寺」、ユネスコ無形文化遺産「結城紬」、「烏山の山あげ行事」、「鹿沼今宮神社祭の屋台行事」、日本遺産「足利学校」といった優れた歴史文化や、「日光国立公園」等の自然、生産量日本一の「いちご」をはじめとする食、関東一の源泉数を誇る温泉等多様な観光資源がある。このように、地方は外国人旅行者を誘客する上で高いポテンシャルを有しており、宿泊施設等にも余裕がある。
 よって、国においては、「明日の日本を支える観光ビジョン」の目標達成に向けた訪日外国人旅行者の誘客促進はもとより、地方創生の更なる深化に向け、地方への誘客促進を通じた地域経済の活性化を図るため、次の事項について速やかに取り組まれるよう強く要望する。
                記
一 新たな訪日客層の開拓をはじめ、地方における広域観光周遊ルートの形成やプロモーションの展開など、官民連携による誘客の取組への支援を充実すること。
二 無料公衆無線LAN環境の整備や多言語表記等の充実、地域における多様な通訳ガイドの育成など、外国人旅行者の受入環境整備に対する支援を充実すること。
三 海外誘客にとって貴重かつ有力な観光資源となる文化財・伝統芸能等の保存・活用事業に対して十分な財政支援措置を講じるとともに、後継者の育成等、伝統芸能の継承につながる支援を充実すること。
四 観光地の景観や安全性を阻害し、誘客の支障となる廃屋等の整理・撤去を可能とする制度の創設など地域の実情に応じた支援を充実すること。

 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。

  平成二十九年三月二十三日

           栃木県議会議長 五 月 女 裕 久 彦

 内閣総理大臣
 財務大臣
 総務大臣
 外務大臣    あて
 文部科学大臣
 厚生労働大臣
 国土交通大臣
 衆参両院議長

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