第1124号 子ども医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担減額調整措置の廃止を求める意見書
議決年月日:平成28年12月27日
議決結果:可決
子ども医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担減額調整措置の廃止を求める意見書
我が国では、生涯未婚率の上昇や晩婚化・晩産化の進行、さらには平均寿命の延伸などにより、急速に少子高齢化が進んでいる。総人口は、出生児数の減少や死亡者数の増加等により、平成二十年の約一億二千八百八万人をピークに長期の減少過程に入り、平成七十二年には約八千六百七十四万人にまで減少すると見込まれており、少子化対策は、我が国における喫緊の課題となっている。
現在、医療保険制度における子どもに係る自己負担割合は、義務教育就学前は二割、義務教育就学以降は三割とされているが、本県では、少子化対策の一環として、未就学児までの子どもを対象とした現物給付方式による医療費助成を実施し、県内全二十五市町においてもそれぞれ軽減措置を講じている。
しかしながら、国は、こうした地方自治体の現物給付方式による医療費助成の取組に対して、受診者の増加に伴う医療費の増加分は、当該自治体が負担すべきものとして、国民健康保険の国庫負担を減額する措置を講じている。
本来、子ども医療費助成制度は、少子化対策の一環として、国において全ての子どもを対象に構築されるべきであり、この減額調整措置は、一億総活躍社会の実現に向けて少子化対策を推進するという国の方針に逆行するだけでなく、地方自治体の懸命な取組を阻害する極めて不合理な措置である。
よって、国においては、地方自治体が行う子ども医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担減額調整措置について、国で検討されている一部廃止に止まらず、完全に廃止するよう強く要望する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十八年十二月二十七日
栃木県議会議長 五 月 女 裕 久 彦
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣
一億総活躍担当大臣 あて
内閣府特命担当大臣
(少子化対策)
社会保障・税一体改革担当大臣
衆参両院議長