第1116号 地方財政の充実・強化を求める意見書
議決年月日:平成27年12月17日
議決結果:可決
地方財政の充実・強化を求める意見書
地方自治体は、子育て支援、医療・介護等の社会保障、被災地の復興、環境対策、地域交通の維持など、果たす役割が拡大する中で、人口減少対策を含む地方版「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げる取組の推進など、新たな政策課題に直面している。
こうした中、六月三十日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」(「骨太方針2015」)において、目安として平成三十年度までの地方一般財源総額について平成二十七年度の水準を実質的に確保するとされた一方で、高齢化による社会保障関係費の自然増を三年間で一兆五千億円程度に抑えるとしている。
また、来年度は、それぞれの自治体が創意工夫のもと策定した総合戦略に基づく、特色を生かした各種施策が本格実施となる。
よって、平成二十八年度の政府予算、地方財政計画の検討に当たっては、歳入・歳出を的確に見積もり、社会保障予算の充実、安定的な地方財政運営の確立を目指すことが必要であり、国において、次の事項を実現するよう強く要望する。
記
一 社会保障、被災地復興、環境対策、地域交通対策、人口減少対策など、増大する地方の財政需要を的確に把握し、これに見合う地方一般財源総額の確保を図ること。特に、「骨太方針2015」に目安として明記された地方一般財源総額の確保を確実に進めること。
二 子ども・子育て支援新制度や生活困窮者自立支援制度の開始、地域包括ケアシステムの構築、介護保険制度や国民健康保険制度の見直しなど、急増する社会保障ニーズへの対応と人材の確保を図るための社会保障予算の充実、地方財政措置を的確に行うこと。特に、高齢化による社会保障関係費の自然増を地方財政計画に適切に反映させること。
三 法人実効税率の見直し、自動車取得税の廃止など各種税制の廃止、減税を検討する際には、地方財政に与える影響を十分検証した上で、代替財源の確保をはじめ、財政運営に支障が生じることのないよう対応を図ること。
四 地方財政計画に計上されている歳出特別枠及び「まち・ひと・しごと創生事業費」については、実質的に地方自治体の財政運営に不可欠な財源となっていることから、現行水準を確保すること。また、これらの財源措置について、臨時的な財源から恒久的な財源へと転換を図るため、社会保障、環境対策、地域交通対策など経常的に必要な経費に振り替えること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十七年十二月十七日
栃木県議会議長 岩 崎 信
内閣総理大臣
内閣官房長官
総務大臣
財務大臣
内閣府特命担当大臣 あて
(経済財政政策)
地方創生担当大臣
経済産業大臣
衆参両院議長