第1113号 森林吸収源対策等の財源確保を求める意見書
議決年月日:平成27年12月17日
議決結果:可決
森林吸収源対策等の財源確保を求める意見書
国土の七割を占める我が国の森林は、木材の供給に加え、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化の防止など多面的な機能を有しており、国民全体に恩恵をもたらしている。
特に、地球温暖化の防止については、木材を化石燃料の代替エネルギーとして利用することで温室効果ガスの排出削減に貢献するほか、間伐、再造林等による森林整備により二酸化炭素吸収量を確保する上でも、森林の役割は極めて重要となっている。
一方、本年九月の関東・東北豪雨など近年頻発する気象災害や、野生獣による被害の深刻化により、森林の多面的機能の低下が危惧されている。
このため、森林の多面的機能の維持増進に向け、主伐後の再造林、獣害対策などの森林整備の強化を図るとともに、森林の吸収源機能を高めるためにも木材の利用促進を図るほか、災害からの早期復旧に取り組むことが必要である。
加えて、森林整備や木材利用を積極的に進め、林業・木材産業の成長産業化を図っていくことは、森林の持つ多面的機能の発揮のみならず、農山村地域を中心に雇用の確保や所得の拡大、さらには人口減少問題の克服など、地方創生にも大きく貢献するものである。
よって、国においては、次の事項について、早期に実現を図るよう強く要望する。
記
一 間伐や再造林、獣害対策など持続的な森林経営による二酸化炭素吸収源対策のほか、木材のエネルギー利用による温室効果ガスの排出削減対策は、地球温暖化対策の重要な柱であるとともに、地方創生にも大きく貢献することから、その安定した財源の充実・強化のための制度を速やかに構築すること。
二 安定した財源が確保されるまでの間の財政面での対応等として、平成二十八年度当初予算及び平成二十七年度補正予算において、再造林や獣害対策、さらには木材の循環的利用等の積極的な推進のために、必要な財源を確保すること。
三 森林における災害からの早期復旧は、住民生活の安全・安心の確保等に不可欠であることから、平成二十八年度当初予算及び平成二十七年度補正予算において、迅速な復旧のために、必要な財源を確保すること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十七年十二月十七日
栃木県議会議長 岩 崎 信
内閣総理大臣
財務大臣
農林水産大臣 あて
環境大臣
衆参両院議長