第1112号 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に関する意見書
議決年月日:平成27年12月17日
議決結果:可決
環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に関する意見書
去る十月五日に大筋合意に至ったTPPは、アジア太平洋地域に一つの巨大な経済圏を創造し、関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進め、知的財産、電子商取引、国有企業、労働、環境の規律など、幅広い分野で二十一世紀の自由で公正なルールを構築するものと期待される一方で、農林業分野をはじめとした地域の関係者からは、主に関税引下げ等による影響について不安と懸念の声が聞かれている。
こうした中、政府においては、十一月二十五日に「総合的なTPP関連政策大綱」を策定したところであり、「新輸出大国」、「グローバル・ハブ」としての持続的成長、夢と希望の持てる「農政新時代」の創造を目指し、「国家百年の計」として中長期的な視点も含め、TPPの効果を最大限に活かす政策を実施していくとしている。
農林業を地域の基幹産業としている本県においては、関係者の不安を払拭し、夢と希望の持てる力強い農林業を実現するとともに、全国有数のものづくり県である強みを生かし、中小企業の積極的な海外展開や事業拡大を支援することにより、地域経済の活性化や地方創生につなげていくことが極めて重要である。
よって、国においては、次の事項に責任を持って取り組むことを強く要望する。
記
一 国民のTPPの影響に関する不安や懸念を払拭するとともに、TPPへの理解を促進するため、影響分析結果や対策等について、地域ごとの正確かつ丁寧な説明と情報発信に万全を期すこと。
二 大綱に掲げられた政策目標の達成に向け、主要施策の確実な実行を図ること。また、各施策の具体的な制度設計に当たっては、地方の声を十分に反映するとともに、必要かつ十分な予算を安定的に確保すること。さらに、施策の実施に当たっては、地方の主体性を尊重し、柔軟な対応を図ること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十七年十二月十七日
栃木県議会議長 岩 崎 信
内閣総理大臣
財務大臣
外務大臣
農林水産大臣 あて
経済産業大臣
内閣府特命担当大臣
(経済財政政策)
衆参両院議長