第1109号 農林水産物の輸出促進に向けた施策の拡充を求める意見書
議決年月日:平成27年6月26日
議決結果:可決
農林水産物の輸出促進に向けた施策の拡充を求める意見書
少子高齢化社会の到来により、農林水産物の国内マーケットが縮小する見込みにある一方、海外には、世界的な日本食ブームの広がりやアジア諸国等における経済発展に伴う富裕層の増加、人口増加といった、今後拡大が見込まれる有望なマーケットが存在する。
農林水産物・食品の輸出促進は、新たな販路拡大や所得の向上、国内価格下落に対するリスクの軽減、国内ブランド価値の向上や経営に対する意識改革などが図られ、国民全体にとっては、生産量増加による食料自給率の向上、輸出入バランスの改善、日本食文化の海外への普及など、幅広いメリットが考えられる。
政府は、昨年六月に閣議決定された「日本再興戦略」において、二〇二〇年における輸出額の目標を一兆円と定めている。近年の輸出は、円高や原発事故の影響などにより落ち込みが生じていたが、二〇一四年の輸出額は過去最高の六千百十七億円となった。
そこで、官民一体となった一層の促進策によって、農林水産物の輸出拡大につなげていくため、下記の事項について強く要望する。
記
一 原発事故に伴う輸入規制を行っている国及び地域に対し、国境措置を科学的根拠に基づく判断とするよう多国間協議の場で提議・要請するなど、撤廃に向けた働き掛けを行うこと。
二 国や日本貿易振興機構(JETRO)等が一体となり、ブランドの確立や産地間の連携を図るとともに、諸外国の輸入規制情報の提供や関連する相談窓口の設置など、国内輸出事業者への支援策を行うこと。
三 輸出先となる国や事業者から求められるHACCP、ハラール、GLOBALG.A.P.等の認証取得を促進するとともに、国際的な取引にも通用する、HACCPをベースとした食品安全管理やGAPに関する規格・認証の仕組みの構築を推進すること。
四 国内・海外商談会の開催や輸出に必要な情報の提供、輸出相談窓口体制の充実、トップセールスによる支援など、日本食文化・産業の一体的な海外展開を一層推進すること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十七年六月二十六日
栃木県議会議長 岩 崎 信
内閣総理大臣
農林水産大臣 あて
衆参両院議長