第1097号 公務員獣医師の処遇改善を求める意見書
議決年月日:平成26年6月17日
議決結果:可決
公務員獣医師の処遇改善を求める意見書
今日、鳥インフルエンザや狂犬病をはじめとする人と動物の共通感染症や口蹄疫などの家畜伝染病が各地で発生する一方、腸管出血性大腸菌やノロウィルスなどの感染による食中毒や福島第一原子力発電所事故による農水産物の放射能汚染問題を受け、その流行抑制や食品の安全性確保を求める国民の意識が高まっている。
こうした中、公務員獣医師は、畜産物の安全性確保や畜産・家畜衛生行政、公衆衛生さらには環境行政の幅広い分野において、高い専門性を駆使して職務を遂行している。
しかし、近年、小動物診療分野の新規就業獣医師が増加する一方で、地方自治体の家畜衛生・公衆衛生部門勤務の公務員獣医師の採用難と産業動物診療獣医師の不足といった、獣医師の職域偏在が顕著になっている。
これは、地方公務員獣医師の給料について、四年制教育課程を前提とした医療職給料表(二)が適用されており、同じ六年制教育を受けた医師に適用される給料表と異なり、処遇の均衡を欠いているばかりか、小動物診療分野に従事する獣医師と比較しても低い処遇であること等が理由に挙げられ、その処遇改善を図ることが喫緊の課題である。
また、地方公務員の給与については、国家公務員の給与に準拠し、又はこれに大きな影響を受けているのが実情であり、国家公務員の状況は地方公務員である獣医師の処遇に関して大きな考慮要素となっている。
よって、国におかれては、地方公務員獣医師の処遇を改善し、人材確保を促進するため、率先して、獣医師固有の俸給表を作成するとともに、初任給調整手当の創設を行うよう強く要望する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十六年六月十七日
栃木県議会議長 螺 良 昭 人
内閣総理大臣
財務大臣
総務大臣
厚生労働大臣 あて
農林水産大臣
衆参両院議長
人事院総裁