第1072号 国家的緊急事態への対応に関する意見書
議決年月日：平成24年6月11日
議決結果：可決
国家的緊急事態への対応に関する意見書
昨年三月十一日に発生した東日本大震災は、未曾有の大規模自然災害であり、東京電力福島第一原子力発電所事故とともに、まさに国家的緊急事態であった。しかし、今回の緊急事態への対応を通じて、国家的緊急事態に対応するために必要な権限や体制等の不備が指摘されている。
我が国は、憲法に緊急事態条項を規定しておらず、平常時の体制のままで大規模自然災害等の国家的緊急事態に対応することとなるため、自衛隊、警察、消防などの初動態勢や救援活動に支障を来たし、被害の拡大につながると懸念されている。
緊急事態条項については、国会等において憲法事項として議論されており、また、緊急事態基本法については、平成十六年に、自由民主党、公明党、民主党の三党が成立を図ることで合意しているが、首都直下地震や南海トラフ巨大地震等の発生が懸念される中、大規模自然災害等に伴う国家的緊急事態に対応する実効的な権限や体制等の整備は焦眉の急である。
よって、国においては、緊急事態条項や緊急事態基本法のあり方を早急に示し、国家的緊急事態に対応するために必要となる権限や体制等の整備を早期に実現するよう強く要望する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十四年六月十一日
栃木県議会議長 髙 橋 文 吉
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣
防衛大臣
内閣官房長官 あて
国家公安委員会委員長
内閣府特命担当大臣(防災)
衆参両院議長