第1066号 難病対策の充実を求める意見書
議決年月日:平成24年3月23日
議決結果:可決
難病対策の充実を求める意見書
難病は、原因が不明で治療方法が未確立であり、羅患した患者は重篤かつ慢性の症状に苦しみ、また、患者や家族の医療費負担は長期にわたり、かつ極めて重いものがある。さらに、希少性故に、社会一般の理解が得られにくく、医療現場においても専門的医療機関を探すことに困難を来すなどの問題もある。
このような中、わが国では、難病対策として、調査研究や医療施設の整備などが進められるとともに、特定疾患治療研究事業や小児慢性特定疾患治療研究事業の実施は、病態の把握や治療法の研究、さらには患者や家族の負担軽減にも大きな役割を果たしてきたところである。
しかしながら、日本国内に数多く存在する難病に対し、こうした事業の対象となる疾患は限られており、国や地方公共団体の財政が厳しさを増す中ではあるが、多くの疾病に対し支援が求められていることから、制度の公平性及び安定性を確保することが重要になってきている。
よって、国においては、支援の必要な難病患者が良質な医療を受け、家族ともども安心して生活できるよう、総合的な難病対策を確立するために下記の項目について早急に実現を図るよう強く要望する。
記
一 支援の必要な難病患者を公平に国における難病対策の対象とするとともに、治療研究を将来にわたって安定的な制度とし運用していくこと。
二 治療法の早期確立のための治療研究の推進、医療体制の整備、国民全体の理解を深めるための普及啓発、福祉サービスの充実、就労支援等を始めとした総合的・包括的な施策を実施すること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十四年三月二十三日
栃木県議会議長 神 谷 幸 伸
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣 あて
内閣官房長官
衆参両院議長