第1063号 受診時定額負担制度に反対する意見書
議決年月日:平成23年12月14日
議決結果:可決
受診時定額負担制度に反対する意見書
政府・与党の社会保障・税一体改革成案に盛り込まれた「受診時定額負担制度」をめぐり、日本医師会をはじめ医療関係団体等から反対の声が上がっている。与党である民主党の内部にも、反対する意見が相次いでいると報道されている。
社会保障・税一体改革成案では、初診・再診時の窓口負担に定額負担を上乗せする受診時定額負担制度を導入し、高額療養費の自己負担上限額を引き下げるための財源を確保する方向が示されている。これは、受診者のみに負担を強いるもので、加入者全員で支えるという国民皆保険の精神に反しており、既に定率による高い負担を強いられている受診者に対して、さらなる負担を強いるものである。そのため、受診を控え病気が悪化する患者が増加することも危惧される。さらに、ひとたび制度が導入されれば、その額が引き上げられていくことは過去の例を見ても明らかである。
また、現行の高額療養費制度は、「加入者間の共助」で成り立っており、受診者から徴収した定額負担を高額療養費の財源に充てる仕組みは、「受診者間の共助」であり、一つの制度に二つの異なる政策を混在させる制度設計は、極めて問題である。高額療養費の負担軽減には賛成できるが、それは公費や保険料などに幅広く求めていくべきである。
よって、国においては、安易に受診時定額負担制度を導入しないよう強く要望する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十三年十二月十四日
栃木県議会議長 神 谷 幸 伸
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣 あて
内閣官房長官
社会保障・税一体改革担当大臣
衆参両院議長