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件名

第1059号 環太平洋経済連携協定交渉参加に向けて説明責任を果たすことを強く求める意見書

本会議議決結果

議決年月日:平成23年12月14日
議決結果:可決

内容

          環太平洋経済連携協定交渉参加に向けて説明責任を果たすことを強く求める意見書

 本県議会は、平成二十三年二月議会において「環太平洋経済連携協定(TPP)に拙速な参加をすることに反対する意見書」を提出したが、野田首相は十一月にTPPに係る関係国との交渉について協議を開始することを表明した。これは、国民的理解はおろか、政府与党内での意思統一も図れていない中での表明であり、重要なISDS条項について総理自身の認識不足という事実に照らせば、拙速かつ不見識な表明だと断じざるを得ない。
 TPPは、関税撤廃交渉の他にも、金融、サービス、労働の移動など様々な分野が対象となることから、地域経済への波及も大きく、国民の暮らしにとって計り知れない影響を及ぼすことが懸念されている。しかし、これまでに政府が発表したTPPに参加した場合における経済効果の試算は、前提条件が異なるとはいえ、内閣府と経済産業省が実質国内総生産(GDP)へのプラスの効果を打ち出す一方、農林水産省はGDPと就業機会の減少を指摘するなど、各府省がばらばらの情報を公表しており、TPP参加が本当に日本の国益にかなうのかどうか、国民は明確な判断ができない状況にある。
 そして、TPPに参加した場合、国民生活にどんな影響が出るのかについては、二十四分野それぞれについて詳細な説明が不可欠である。木材輸入の全面自由化以降、大きく自給率を下落させた林業以上の打撃が懸念され、安全規制の撤廃が危惧される農業分野、甚大な影響が予見される医療分野をはじめ、免許制度により一定の水準を保っているすべての産業への影響など、あらゆる情報を明示されたい。さらに、参加しても輸出が増えるとは限らない、デフレを助長する等の抑止的な意見に真摯に答えていくことが求められる。
 よって、国においては、TPP参加が本当に日本の国益にかなうのか、国民にとってプラスになるのかマイナスになるのか、国民生活や経済全体に与える影響を充分精査し、国民への説明責任を果たすことを強く要望する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。

   平成二十三年十二月十四日

             栃木県議会議長 神 谷 幸 伸

 内閣総理大臣
 総務大臣
 外務大臣
 厚生労働大臣      あて
 農林水産大臣
 経済産業大臣
 衆参両院議長

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