第1057号 八ッ場ダム建設事業の早期完成を求める意見書
議決年月日:平成23年10月14日
議決結果:可決
八ッ場ダム建設事業の早期完成を求める意見書
九月十三日に開催された八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場において、ダムの建設を前提とした案が「洪水調節」「新規利水」「流水の正常な機能の維持」の面で総合的に最も有利とする検討結果を国は示した。この結果は、本県議会のこれまでの主張に沿うものであり、いわば当然のものと受け止めている。
しかし、利根川下流域都県のためにダム建設に協力してきた地元水没関係住民にとっては、平成二十一年九月の建設中止宣言から実に二年もの間、度重なる国の方針変更により常に不安な状況に置かれているところでる。
そもそも八ッ場ダムは、これまで洪水、渇水の双方において数多くの深刻な被害を経験してきた利根川流域の一都五県にとって、洪水の危険性や水不足への不安を解消するために必要不可欠な施設である。
千年に一度といわれる大地震によって甚大な被害が生じた東日本大震災により、防災対策の重要性が再認識され、防災の在り方が問われている今、過去の歴史を繰り返すことなく、利根川の治水対策を確実に進めていくためには、八ッ場ダム建設事業を一刻も早く完成させることが喫緊の課題である。
よって、国においては、今回の検討結果を尊重し、一刻も早く対応方針を決定するとともに、下記の事項を実現するよう強く要望する。
記
一 ダム建設が最も有利であることが明確に示された以上、直ちにダム本体工事に着手するとともに、基本計画どおり平成二十七年度までに八ッ場ダム建設事業を完成させること。
二 長年にわたりダム建設に翻弄されてきた地元住民の意見を真摯に受け止め、国の責任において生活再建事業を早期に完成させること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十三年十月十四日
栃木県議会議長 神 谷 幸 伸
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣 あて
国土交通大臣
衆参両院議長