第1054号 円高・デフレを克服する経済対策を求める意見書
議決年月日:平成23年10月14日
議決結果:可決
円高・デフレを克服する経済対策を求める意見書
ギリシャを発端とした欧州での経済危機や米国の景気後退などを背景に、わが国の円高・デフレ傾向は長期化し、東日本大震災で痛手を受けた日本経済は、さらに追い打ちがかけられた状態になっている。また、電力需要の逼迫、国際金融市場の不安定化が複合的に生じ、産業の空洞化と財政の悪化により、国家の信用が大きく損なわれる瀬戸際にある。
一方、今般の円高は、本県の製造業、観光業にも大きな打撃を与えており、この状態を放置すると、地域経済は悪化の一途をたどることとなる。
こうした中、政府及び日本銀行は八月四日に、為替介入及び追加的な金融緩和を実施したが、力強く日本経済を回復させ、本県産業の空洞化や雇用の喪失を防ぐことができるよう、下記の項目について早急に実現を図るよう強く要望する。
記
一 東日本大震災という「非常事態」からの復興期において、過度の円高の動きを牽制するため、今後とも主要先進国に対し、一層の理解を求めつつ、国際的な協調の下、思い切った規模の円売り・ドル買い介入を求めるとともに、過度の円高の是正や、マネーストックの増加を通じたデフレからの脱却につながるよう、主要国の中央銀行と比較して遜色ないレベルまで、金融緩和政策を強化すること。
二 産業の空洞化やそれに伴う経済活力や雇用の喪失を防止するため、電力の安定供給を確保すること。また、緊急雇用創出事業臨時特例交付金の追加配分を行うなどにより、雇用機会の創出に努めること。
三 年末に向けた中小企業の万全な資金繰り対策の拡充をはじめ、円高の影響を直接受ける輸出関連企業の痛みを緩和する施策を打ち出すこと。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十三年十月十四日
栃木県議会議長 神 谷 幸 伸
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
経済産業大臣 あて
内閣官房長官
国家戦略担当大臣
衆参両院議長