第1052号 福島第一原子力発電所の事故に関する情報の開示及び放射能の拡散防止を求める意見書
議決年月日:平成23年6月28日
議決結果:可決
福島第一原子力発電所の事故に関する情報の開示及び放射能の拡散防止を求める意見書
東日本大震災により発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故は、震災から三箇月経過した現在においても、収束の見通しが立っていない。
同原子力発電所の事故に起因する放射線量は、三月に比較して減少してはいるものの、依然として予断を許さない状況であり、放射線の健康への影響が懸念される中、多くの国民が先の見えない不安を感じている。
本県においても、教育施設等をはじめ農産物、牧草などに基準値を超える放射線量が検出されており、一刻も早い事態の収束が求められている。また、本県の重要産業である観光業や農業分野においても風評被害が深刻な事態に至っている。
もとより、原子力発電は国がその安全性を保障して推進してきた国策であり、原子力発電については国が全面的な責任を負うべきである。
したがって、国においては、福島第一原子力発電所の事故の一刻も早い収束に努め、同原子力発電所の事故に起因する被害について、十分な補償や救済措置を講ずるとともに、下記の事項について、早急に対応するよう強く要望する。
記
一 福島第一原子力発電所の事故について、常時、正確な情報を速やかに開示し、国が責任を持って具体的に国民に示すとともに関係自治体に説明し、放射線物質によるあらゆる事態における基準、対処方針等を早急に確立し、十分な周知を図ること。
二 福島第一原子力発電所の事故への対応について、政府及び東京電力並びに関係機関が万全の体制を整備し、放射能被害がこれ以上拡大しないようあらゆる手段を講ずることにより、周辺住民はもとより、国民の安全確保に万全を尽くすこと。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十三年六月二十八日
栃木県議会議長 神 谷 幸 伸
内閣総理大臣
財務大臣
経済産業大臣
国家戦略担当大臣 あて
内閣官房長官
衆参両院議長