第1048号 震災からの復興に向けた補正予算の今国会での成立を求める意見書
議決年月日:平成23年6月10日
議決結果:可決
震災からの復興に向けた補正予算の今国会での成立を求める意見書
三月十一日に発災した東日本大震災は、農業、商工業等の経済基盤、学校、医療機関や福祉施設、道路、鉄道等の社会インフラが根こそぎ失われるという異例の事態であった。加えて、東京電力福島第一原子力発電所において発生した事故は、我が国で史上最悪の原子力災害を引き起こし、多くの人々が避難生活を強いられている。
さらに、今回の大震災は、被災地のみならず、我が国の社会・経済にも大きな影響を及ぼしている。自粛ムードの広がりによる消費の落ち込み、企業の生産活動の停滞、訪日旅行の相次ぐキャンセル、輸出先国における輸入規制、風評被害による損害など、我が国はいまだかつて経験したことのない危機に直面している。
このような中、政府が復旧・復興に向けた大規模な補正予算を早期に編成し、執行していくことは、被災者に安心を与えるだけでなく、自治体が躊躇なく的確な事業を実施することの前提である。政府は、一次補正予算に仮設住宅建設やがれきの撤去などの予算を盛り込んではいるが、本格的な復旧に向けての更なる支援措置が切望されているところであり、農林業者、観光業者及び中小商工業者への適切な施策を盛り込んだ追加補正予算の早期成立が必要である。
また、復興に向けては、津波の被害からの脱却を念頭に、地域の主体的な発想を重視し、全く新しい構想のもと、東北地方のグランドデザインを描く必要がある。
よって、政府及び国会におかれては、長期的な復興ビジョンを明確に示すとともに、今般の未曾有の震災という国難から一刻も早い復旧を実現するための補正予算を今国会で成立させるよう、強く要望する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十三年六月十日
栃木県議会議長 神 谷 幸 伸
内閣総理大臣
財務大臣
経済産業大臣
国家戦略担当大臣 あて
内閣官房長官
衆参両院議長