第1027号 今後の保育制度改革に関する意見書
議決年月日:平成22年6月11日
議決結果:可決
今後の保育制度改革に関する意見書
少子化が進行する中、子どもを安心して産み育てる環境の整備が求められており、特に、待機児童対策を含む保育制度の充実が喫緊の課題となっている。
昨年十二月、厚生労働省は、保育所の設備及び運営についての最低基準を都道府県等に条例委任することを内容とする方針を明らかにし、現在、義務付け・枠付けの見直し等を行う地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案が国会で審議されている。また、「子ども・子育て新システム検討会議」においては、保育所と保護者との公的契約制度の導入や保育に欠ける要件の見直しなど、抜本的な保育制度改革の議論が行われているところである。
国家的課題である少子化対策の核ともいうべき保育制度において、子どもたちの健やかな育ちの場が保障されるためには、地域の実情や多様な保育ニーズに応じた保育サービスの拡充を図るとともに、公的責任のもとで、保育所において保育の質がしっかりと確保されることが不可欠である。
よって、国におかれては、今後の保育制度の改革に当たっては、子どもの最善の利益を守る立場に立ち、次の事項について十分配慮するよう強く要望する。
記
一 保育に対する国の公的責任を後退させることなく、待機児童解消に努める地方自治体の創意工夫を最大限に活かせるような支援の在り方について検討すること。
二 子どもの立場に立って保育の質を確保するとともに、地方自治体が地域の実情に応じて柔軟に取り組む施策に対し、十分な財政支援を行うこと。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十二年六月十一日
栃木県議会議長 野 田 尚 吾
内閣総理大臣
財務大臣
総務大臣 あて
厚生労働大臣
衆参両院議長