第1025号 歯科補てつ物の安全性等の確保についての意見書
議決年月日:平成22年6月11日
議決結果:可決
歯科補てつ物の安全性等の確保についての意見書
入れ歯や冠等、歯科医療の用に供する補てつ物(歯科補てつ物)の作成等は、歯科技工士法により歯科医師又は歯科技工士の国家資格を持つ者でなければ業として行ってはならないと定められている。これは歯科補てつ物が口腔や身体に重大な影響を及ぼす可能性があり、国として的確にその安全性を担保するためである。
しかし、現在、歯科補てつ物の国外への発注等は、法律で規制されておらず、近年国外で作成された歯科補てつ物が散見されている。
また、歯科補てつ物は、国内で作成される場合については指針が定められているが、国外で作成された場合については、品質及び安全性を担保するための法令上の規制がなく、その補てつ物は雑貨扱いとして輸入されており、品質や安全性を確保する観点から問題が指摘されている。
近年、国内では想定されなかった含有物による問題が薬品、玩具及び食料品において立て続けに生じている。歯科補てつ物は口腔内で半永久的に使用されるにも関わらず、現行制度ではその安全管理を歯科医師個人の責任に帰することとなっており、少なくても、国外で作成された補てつ物についても、国内で作成されたものと同等の安全性確保の対策がなければ、国民の健康被害につながることが懸念される。
よって国においては、国民の健康を守り患者の安全性を確保し、国民の信頼に応える歯科医療体制を確立していくため、国外で作成された歯科医療用の補てつ物の取扱いに関して、その安全性等を確保するための法的整備を含め、実効性のある速やかな措置を講じられるよう強く要望する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十二年六月十一日
栃木県議会議長 野 田 尚 吾
内閣総理大臣
財務大臣
総務大臣 あて
厚生労働大臣
衆参両院議長