第1018号 新成長戦略に関する早期の工程表の作成及び今後政策を推進する上での財政展望の明示を求める意見書
議決年月日:平成22年3月24日
議決結果:可決
新成長戦略に関する早期の工程表の作成及び今後政策を推進する上での財政展望の明示を求める意見書
平成二十二年度における国の一般会計当初予算案は、約九十二兆円と過去最大となり、国債発行額(約四十四兆円)が税収(約三十七兆円)を上回るという戦後初の逆転現象が生じた。また、今後も高齢化による自然増だけで毎年一兆円以上のペースで増えていく社会保障費や、現政権が主張する子ども手当の支給、高校の実質無償化、農業の戸別所得補償や高速道路の無料化等の政策を勘案すると、今後更なる財源確保が必要となる。
しかし、予算の組替えや税外収入に頼るのも限界があり、また、出先機関や特殊法人改革、国会改革など、中央における行政改革に向けた努力は未だ不十分である。平成二十二年度末の国・地方を合わせた長期債務残高は、約八百六十二兆円になる見通しで大変危機的な状況にあるのが現状である。
また政府は、昨年十二月三十日に新成長戦略を策定し、公共事業・財政頼みでも、行き過ぎた市場原理主義でもない「第三の道」を進むと宣言した。今般の景気低迷やデフレ長期化の懸念を払拭するためにも、具体的な成長戦略によって国民の将来への「安心」を構築しなければならない。
よって、国においては、以下の事項に特段の配慮がなされるよう、強く要望する。
記
一 新成長戦略の目標を達成するための工程表を早期に策定すること。その際、具体的な政策と財政展望を明確に示すこと。
二 今後政策を実現する上での財源確保の展望を示すこと。その際、高齢化が進む中で将来世代にツケを回すことのないよう、税制改革全般を議論し、財政健全化の道筋をつけること。
三 政府がリーダーシップを発揮し、マクロ的視点で戦略を示し、国民が雇用・社会保障などの将来に対し「安心」を抱くことができるよう努めること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十二年三月二十四日
栃木県議会議長 青 木 克 明
内閣総理大臣
副総理・財務大臣
国家戦略担当大臣
経済産業大臣 あて
総務大臣
内閣官房長官
衆参両院議長