第1016号 全員参加方式による全国学力・学習状況調査の継続を求める意見書
議決年月日:平成21年12月14日
議決結果:可決
全員参加方式による全国学力・学習状況調査の継続を求める意見書
今般、川端達夫文部科学大臣は、全国学力・学習状況調査について、来年度より、小六・中三の全児童生徒が参加する方式から、一部の児童生徒が参加する抽出方式に変更する方針を表明し、来年度予算の概算要求も、それを踏まえた形に減額修正されている。さらには、政府の行政刷新会議が全国学力・学習状況調査の実施を事業仕分けの対象としたため、調査規模がさらに縮小される可能性が出てきており、都道府県や自治体間の学力比較ができなくなり、地域間格差を是正する実効性が失われるおそれさえ生じている。
来年は三年前に小学六年生だった生徒が、中学三年生となり全国学力・学習状況調査に参加する。三年間の学習の成果を、定点観測により検証できる初めての機会であるにもかかわらず、あえて抽出方式に切り替える合理的な理由がない。何よりも、保護者から、子供の相対的な学力を知ることができるので、全国学力・学習状況調査に参加したいという声が数多くある。
抽出調査の対象外であっても、設置者が希望すれば利用できる希望利用方式も併用するとのことだが、その実施に関しては非常にあいまいであり、多大な費用、事務処理負担等が発生し、抽出調査の対象となった者と比べて、著しく不公平を生じる。全児童生徒が参加するからこそ、子供一人ひとりの課題などが把握でき、高度な分析・検証に関する調査研究も可能となることから、全員参加方式を継続すべきである。
よって、国においては、世界最高水準の義務教育を実現するために、全員参加方式による全国学力・学習状況調査を継続して実施するとともに、その調査結果を最大限活用するなど、さらなる充実を図られることを強く要望する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十一年十二月十四日
栃木県議会議長 青 木 克 明
内閣総理大臣
副総理・国家戦略担当大臣
総務大臣 あて
文部科学大臣
内閣官房長官
衆参両院議長