第1011号 ヒブワクチン及び肺炎球菌ワクチンの定期接種化と安定供給を求める意見書
議決年月日:平成21年12月14日
議決結果:可決
ヒブワクチン及び肺炎球菌ワクチンの定期接種化と安定供給を求める意見書
細菌性髄膜炎は、死亡に至る恐れが高く、重い後遺症を引き起こす感染症で、特に乳幼児は毎年約千人も罹患しており、その原因のほとんどがインフルエンザ菌b型(ヒブ)と肺炎球菌によるものとされている。この感染症は、早期診断が困難で発症後の治療には限界があることなどから、罹患前の予防が非常に重要で、乳幼児期のワクチン接種により効果的に予防することが可能である。
既に欧米、アジア、アフリカなど百カ国以上で予防接種が定期化されており、こうした国々では発症率が大幅に減少している。また、世界保健機関(WHO)もワクチンの定期予防接種を推奨している。
日本においては、昨年十二月、世界から二十年遅れてヒブワクチンが販売開始となり、小児用肺炎球菌ワクチン(七価ワクチン)も欧米より約十年遅れて今年十月に国内初承認され、来年春までに販売開始の予定となっている。
しかしながら、医療機関においてワクチンの接種が可能となっても、任意接種であるため費用負担が大きく、定期接種化による公費助成など、子どもたちの命を守るための早急な対策が必要である。
よって、国においては、細菌性髄膜炎の予防対策を図るため、次の事項について、一日も早く実現されるよう強く要望する。
記
一 ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチン(七価ワクチン)について、その有効性、安全性を評価した上で、予防接種法の改正等により、定期接種の対象に位置付けること。
二 これらのワクチンの安定供給のために必要な措置を講じること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十一年十二月十四日
栃木県議会議長 青 木 克 明
内閣総理大臣
厚生労働大臣 あて
衆参両院議長