第1003号 大胆できめ細かな雇用対策を求める意見書
議決年月日:平成21年10月14日
議決結果:可決
大胆できめ細かな雇用対策を求める意見書
我が国の経済は若干の持ち直しの動きがみられるものの、引き続き厳しい景気動向の中、本県の雇用失業情勢は七月の有効求人倍率が〇.三四倍、四‐六月の完全失業率が四.八%と依然として最悪の状況が続いている。
このため、国においては、非正規労働者等の失業期間の長期化が懸念されることから、平成二十一年度補正予算に緊急人材育成・就職支援基金による支援事業を計上し、三十五万人分の職業訓練機会の確保、三十万人分の訓練期間中の生活保障等、雇用保険を受給できない非正規労働者・長期失業者の方などに対するセーフティネット機能を持つ仕組みを構築した。
これにより、既に、ハローワークを中心として、基金による職業訓練や訓練・生活支援給付金の申請及び支給が開始されているが、今般、政府において、この緊急人材育成・就職支援基金の執行停止が検討されているとの報道がなされたところである。
しかし、この基金による各種施策は、地域経済はもとより国民生活に大きな影響をもつものであることから、引き続き推進していくことが求められる。
よって、国会及び政府においては、雇用情勢のこれ以上の悪化を防ぐため、以下の点について、更なる取組を行うよう強く要請する。
記
一 訓練・生活支援給付金の受給資格認定や支給事務に当たっては、対象の失業者が雇用保険の支給を受けていないという実態を踏まえ、柔軟かつ迅速な対応を行うこと。
また、職業訓練の委託先団体の実態も地域によって格差があり、各地域において、特に新規成長・雇用吸収分野の訓練コースの確保に努めること。
二 雇用調整助成金制度の運用に当たっては、中小・零細事業者の経営実態を踏まえ、社会保険労務士などの協力を得て、ハローワークの積極的な対応を行うこと。
三 こうした業務を円滑に実施できるようハローワークの窓口体制の全国的な整備に努めること。
四 仮に基金が執行停止される場合においても、国の責任において、基金事業に替わる仕組を構築すること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十一年十月十四日
栃木県議会議長 青 木 克 明
内閣総理大臣
副総理・国家戦略担当大臣 あて
厚生労働大臣
衆参両院議長