第1002号 経済危機対策の着実な実行を求める意見書
議決年月日:平成21年10月14日
議決結果:可決
経済危機対策の着実な実行を求める意見書
戦後最大の「世界同時不況」により、県内企業の大幅な減産や雇用調整、事業所閉鎖が行われるなど、県内経済が今だ厳しい状況にある中、本県では、緊急経済対策本部を設置し、国の数次に渡る景気対策に呼応した雇用・経済活性化対策など、地域経済対策に全力を挙げている。
しかしながら、一部に持ち直しの動きが見られるものの、今年七月現在の有効求人倍率が過去最悪の〇.三四倍を記録するなど、雇用情勢は依然として厳しい局面にあり、県民の不安は払拭されていないことから、地域経済の活性化を図り、景気や雇用状況を好転させていくための切れ目のない景気対策を推進していく必要がある。
このような中、九月に召集された本議会において、総額七百億円を超える過去最大の補正予算が上程され、本日成立の運びに至ったが、その財源の大半を国の平成二十一年度補正予算の交付金等で占めている。
現在、政府は、この平成二十一年度補正予算の一部凍結等の方針を示しているが、補正予算で措置された地方向けの交付金等は、現下の経済・雇用情勢への対応はもとより、介護職員の処遇改善や自殺対策、学校の耐震化など、国民の生活、教育等に直結した貴重で必要不可欠な財源である。
仮にこれを凍結する事態になれば、地域経済の更なる悪化を招き、県民生活を直撃するとともに、県民の不安と不信感を増幅するなど、地方に及ぼす影響には計り知れないものがある。
よって、国会及び政府においては、地方財政の窮状を十分認識し、地方自治体が取り組んでいる景気・雇用対策等の緊急の施策に支障が生じることがないよう、平成二十一年度補正予算の円滑な実施を図るとともに、平成二十二年度当初予算編成に当たっても、地方の意見を十分に取り入れるシステムを新たに構築するなど、更なる経済危機対策に万全を期すよう強く要望する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十一年十月十四日
栃木県議会議長 青 木 克 明
内閣総理大臣
副総理・国家戦略担当大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
農林水産大臣 あて
経済産業大臣
国土交通大臣
環境大臣
内閣官房長官
内閣府特命担当大臣(消費者)
衆参両院議長