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請願・陳情 議決結果一覧

詳細情報

請願・陳情名

第27号 (平成15年) イラクヘの自衛隊派遣の中止を求める意見書に関する陳情

受理年月日

受理日:平成15年11月20日

付託委員会

付託委員会:総務企画委員会
付託日:平成15年12月5日

紹介議員

議決結果

議決日:平成16年3月24日
議決結果:不採択

内容

要 旨
 戦闘状態と劣化ウラン弾による放射能汚染の続くイラクヘの自衛隊派遣の中止を強く要望する、目本政府に対する意見書を採択してください。
陳情理由
 日本政府は「イラク復興支援特別措置法」に基づき、自衛隊をイラクに派遣し人道支援活動だけでなく“安全確保活動”という事実上の米軍の支援活動を行おうとしています。
 イラクではイラク占領米軍司令官のいう「われわれはまだ戦争状態にあり」「イラクを戦闘地域と非戦闘地域に分けることはできない」という事態が続いています。イラク人は、自らの手で民主的な選挙を実施し国民の代表と憲法を決めたいと考えていますが、未だ国民選挙の見通しはたっておらず、占領軍に対する不満の声が日増しに強くなっています。
 アメリカからイラクヘの派兵の要請を受けたカナダ、パキスタン、インドは「国連の主導によるイラク復興支援となっていない」ことを理由にはっきりと派兵を拒否しています。また、アメリカ国内でも米兵家族会は、ブッシュ大統領と米国会議員に対し兵士の帰国を求める運動を開始しています。
 日本は、米軍のいるところすべてが戦闘地域となりうるイラクヘ自衛隊員を送り出そうとしていますが、このような状態の中で自衛隊員を送れば襲撃の標的になることは間違いありません。
 さらに強く懸念されるのは、劣化ウラン弾による被爆です。砲弾、銃弾、榴弾の弾頭や戦車装甲などに、広く利用されている原子力発電所から発生する核のゴミ、劣化ウランの放射能の怖さです。湾岸戦争ボスニア・コソボ、アフガン、イラクなどからの米国の帰還兵六十八万人のうち二十八万人が、今も奇病、白血病、癌などの病気に悩まされ、約一万人が死亡しています。劣化ウランの粉塵は体内に入ると免疫システムを破壊します。湾岸戦争以降の帰還兵の妻たちが流産したり、先天性の障害を持つ子どもたち(Gulf War Baby)が生まれています。
 微量放射能はDNAを傷つけ、遺伝的に孫やひ孫にその影響が強くでるといわれています。恐ろしいことに、放射能は目に見えません。そして免疫力のない小さな子どもたちほど確実に放射能の影響を強く受けています。
 私たちは人道的にも、このように放射能汚染されているイラクヘ自衛隊員を送り出すということには賛成できません。
 今一番必要としているのはイラクで劣化ウランの後遺症で苦しんでいる薬もなく医療も受けられずに毎日死んでいく子どもたちや同様の後遺症で苦しんでいるアフガンの人々、そして、アメリカの兵士の人たちに対する支援をしていくことではないでしょうか。それこそが、この地球に共に生きている私たちが、人間として早急にすべきことではないでしょうか。戦争や紛争を長引かせるということは、さらに、全地球的な放射能汚染を拡大してしまうことになります。私たちはこのような負の遺産を未来世代に残さないように、被爆国である日本が世界に発信していくべきではないでしょうか。
 戦闘状態と放射能汚染の続くイラクヘ自衛隊を送り込むことについて、憤重なる検討のうえ、見合わせるよう求める意見書を日本政府に提出くださるようお願い申し上げます。

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