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第71号(平成14年) ホームレスヘの殺人事件に鑑み、学校教育での人権教育徹底を求める陳情

受理番号 第71号
(平成14年)
受理年月日 平成14年2月15日
付託委員会 文教警察委員会 委員会付託年月日 平成14年3月6日
議決結果 不採択 議決年月日 平成14年3月22日
紹介議員
第71号(平成14年)
  ホームレスヘの殺人事件に鑑み、学校教育での人権教育徹底を求める陳情

(陳情の趣旨)
 去る一月十七日に、いわゆる「宇都宮ホームレス殺人事件」の初公判が開かれました。検察側は、冒頭陳述で事件を引き起こした三人が、ホームレスを「人間でなく汚い動物」「惰性で生きてるし、人権なんてない」と蔑視していたことを明らかにし、人権感覚がひどく欠如していた点を物語りました。また、東京都東村山市でも少年によるホームレス殺人事件が起こったばかりでもあり、ここで改めて人権教育の徹底について、真剣に取り組むべき契機を与えられたと言えましょう。
 宇都宮の事件で、当時十九歳であった少年らが、なぜ、ホームレスへの殺人事件に手を染めたのかについて、その動機を探る時、避けて通れないのは、やはり学校教育における人権教育であろうと考えられます。憲法が基本的人権の尊重をうたっていることは言うまでもなく、教育基本法においても、「個人の尊厳を重んじ」(前文)、「個人の価値をたっとび」(第一条)と、当たり前の人権感覚を身につけることが、教育の大きな目的の一つであることは申し上げるまでもありません。
 しかしながら、本県において、じかにホームレスとして生活している人たちから事情をお聞きすると、「少年たちから火をつけられた」「暴走族に威嚇された」などの被害の声があがります。警察沙汰にはならない負傷事件などは、かなりの数に上ると推測されます。
 また、本県においては、小学校・中学校・高等学枚などにおけるいわゆる「いじめ」の発生件数(人口比率)が、他の都道府県と比較すると群を抜いて高く、子どもたち同士の人間関係の形成過程にも、人権感覚の欠如が大きく影を落としています。こうした傾向が、ホームレスの人たちへの「いじめ」行為の発生件数の増大や、事件の狂暴性の動機付けになりはしないかと、危惧せざるを得ません。本県においては、他都道府県にも増して人権教育の徹底を図る緊急性を要していると言えましょう。
 「命を大切にする」という、人間にとって最も大切な価値観を、どうしたら子どもたち一人ひとりの心の中心に据えていくことができるのか、このことのための学校教育の捉え直しをすべての教育関係者が行うべき時期にきていると思います。確かな人権教育の徹底をすべての教育関係者に求めます。
(陳情事項)
一 小学校・中学校・高等学校・特殊教育諸学校の教職員に対し、人権教育の指導を図り、教育現場で子どもたちの心の問題のケアに努められるよう具体策を施すこと。
二 ホームレスに対する偏見を取り除くよう、子どもたちに指導すること。
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