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第30号(平成29年) 平石中央小学校の敷地を削り、県道の中央にLRTを通す宇都宮市のLRT導入計画に関する議案の否決を求める陳情

受理番号 第30号
(平成29年)
受理年月日 平成29年9月15日
付託委員会 県土整備委員会 委員会付託年月日 平成29年9月27日
議決結果 不採択 議決年月日 平成29年10月10日
紹介議員
第30号(平成29年)
  平石中央小学校の敷地を削り、県道の中央にLRTを通す宇都宮市のLRT導入計画に関する議案の否決を求める陳情

要  旨
1 陳情の趣旨
 宇都宮市のLRT工事施工認可申請に関連して、県道管理者としての県の同意を求める
議案については、安全対策上、また道路機能の確保・交通円滑化対策上、下記のような重
大な問題があるため、本議会において当該議案を否決することを求める。

2 陳情の理由(当該計画の問題点)
(1)平石中央小学校周辺の当該LRTルート問題
  @ 平石中央小学校の敷地を削り、次のような教育環境悪化、安全上の問題があるこ
   と。
   ア 当該小学校の敷地を約10m削り込み、校舎から2.5mの位置に道路ができ、10m
    の位置を電車が通り、振動・騒音等で教育環境が悪化する。     資料@A
   イ 当該小学校北側の線路は金属製フェンスが設置され、地域分断だけでなく、小
    学校の避難場所が遮断され、災害時の速やかな避難が阻害される。  資料B
   ウ LRTによる複雑な道路改良は、消防車・救急車の侵入を阻害し、危機管理を
    無視した設計で、安全確保上重大な問題である。
  A 当該小学校前に、遮断機のない踏切(辰街道とLRTの交差点)ができ、児童の
   安全が脅かされること。
    辰街道は、1日約2万台の車が通り交通量が多いのに加え、制限速度40Kmを
   オーバーして通る車も多く、その道路とLRTを平面交差させることは、安全確保
   上、重大な問題である。
  B 上記踏切は、鉄道技術基準省令第39条の規定(道路と平面交差してはならない)
   に違反すること。
  注)@ 「鉄道技術基準省令第39条」による、軌道と道路の平面交差の禁止
      LRTを新設する場合、街なかを車や自転車などと並走する場合は、軌道法
     が適用され、道路との平面交差が許されるが、専用の軌道の場合は、鉄道法技
     術基準省令(平成13年制定)第39条が適用され、道路との平面交差が禁止され
     ている。
      宇都宮市は、当初の専用軌道の計画から当該法規による禁止規定から逃れる
     ためか、LRT軌道脇に歩道や行き止まりの車道(側道)を作り、車や歩行者
     と並走するので、専用軌道でなく併用軌道であり、鉄道法は適用されないと主
     張し、国もそれを追認している。しかし、平石地区ルートは、一見、車や歩行
     者などと並走しているような形態をとっているが、LRT軌道の両側を金属フェ
     ンスで遮断しており、街中を車や自転車と並走するLRT軌道とは全く異なり、
     実質的には専用軌道である。
    A 法改正の背景は、毎年約140名が死亡している踏切事故防止資料C
      鉄道(専用軌道)と道路の平面交差(踏切)の禁止規定は、平面交差の踏切
     において毎年約140人の貴重な人命が失われる重大事故が発生(H2年〜H22年
     の間に、合計2,981名、年平均142名が踏切事故で死亡)しており(内閣府発行
     「平成23年交通安全白書」による)、人命を守るという立法趣旨で作られた法
     律であり、宇都宮市はその立法趣旨を無視し、人命を軽視していると言わざる
     を得ない。
    B 宇都宮市のLRTは法改正後、全国初の平面交差上記、軌道と道路の平面交
     差禁止の法改正後、新設軌道を作る際にこの法規に違反して平面交差(踏切)
     を作った事業者はないが、宇都宮市はこの法規に違反して、全国初の軌道と道
     路の平面交差を作ることになり、全国一安全なLRTでなく、全国一危険なL
     RTになる可能性がある。
    C 上記踏切事故原因の約半数が直前横断
      平石小学童の多くは毎日学校前にできる踏切を横断することになる。内閣府
     発行の「平成23年交通安全白書」では、平成22年における踏切事故の原因を分
     析し、直前横断による事故が52.5%と公表されている。
      いずれにしても、死亡事故をなくすため新規軌道を作る場合は平面交差(踏
     切)を禁じたのである。平石小学校前の踏切は、遮断機もなく、信号機による
     踏切になるため、学童が直前横断をして、踏切事故に会う可能性があり、事故
     があったときは、学校や教育委員会等の行政機関は、信号を無視して、または
     不注意により、直前に横断した学童が悪いと、事故に会った学童の責任にする
     のだろうか。
      あるいは、死亡事故があってから初めて、事故再発防止のために、立体交差
     にしようと真剣になるのだろうか。しかし、その時には、失われた貴重な命は
     取り返すことはできないのである。
    D 那須の高校生山岳部の死亡事故の教訓・人命尊重今年3月下旬に、那須のス
     キー場近くで高校生山岳部のグループが雪崩にあい、8人(生徒7人、教師1
     名)が死亡した。17年前(平成12年)にも、北アルプスで同様の雪崩事故があ
     り、11人が巻き込まれ2人の大学生が死亡している。本県の教育機関において
     は、その教訓が生かされず死亡事故が起きた。その背景には、学校における安
     全対策の不十分さ、さらに突き詰めれば、人命軽視の風潮が指摘されるであろ
     う。
      踏切による死亡事故も、注意喚起だけでは避けがたいがために、平面交差禁
     止の法改正がされた。
      平石小学校前にできる平面交差点(遮断機のない踏切)は、この立法趣旨に
     反し、踏切による死亡事故を避けるための教訓が生かされていない、人命軽視
     の計画だと指摘することができよう。ここでもまた、何よりも貴重な人命が軽
     視されている。
      市は、LRTは利便性の向上、強いては快適な暮らしの実現のためのもので
     あるというが、その面における有効性の評価、是非の判断については、いろい
     ろあるが、人命に係るようなLRTを造ってはならないし、危険を回避し、安
     全を確保することは、全ての市民の共通の願いであると思う。現行のLRT導
     入計画は、学童の安全を脅かし、命を失う危険性さえもある重大な問題を含ん
     でいる。
(2)県道の中央にLRTの軌道と停留所が施設されることによる道路機能低下による問
   題
    JR宇都宮駅から新4号線手前までの、県道には、LRTレール2車線に加え、
   LRTの停留所が14か所(片側7ヶ所)設置され、従来の道路機能が大きく損なわ
   れ、交通渋滞の激化が懸念される。
    また、今般の計画が認可されると、次は宇都宮市のLRT導入の基本計画に本格
   的に踏み込むことになり、JR宇都宮駅西の中心市街においても、道路機能が大き
   く損なわれ、渋滞の激化等、諸々の問題発生が懸念されること。
(3)当該計画の市民合意等の問題
  @ 市民合意が得られていないこと。
   ※2016年11月20日の宇都宮市長選時の報道機関の出口調査結果。
    NHK調査:LRT導入反対62%、賛成38%。
    下野新聞調査:LRT導入反対54%、賛成34%、わからない13%
  A 整備費用、需要予測、運営費等の算出根拠が明示されておらず、莫大な税金投与
   が懸念されること
  B 現行計画では、高齢者等の通院や買い物等日常生活の交通手段とはならないこと。
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