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件名

第990号 安心できる地域医療提供体制の確保を求める意見書

本会議議決結果

議決年月日:平成20年10月9日
議決結果:可決

内容

      安心できる地域医療提供体制の確保を求める意見書
 少子・高齢化の進展、医療ニーズの多様化など我が国の医療を取り巻く環境は大きく変化している。特に、医師や看護師の不足は深刻の度を増しており、今日、地域医療をめぐる「医療過疎」や「医療の崩壊」ともいえる状況に全国で直面している。
 本県においても、地域医療を支える中核病院の医師不足は依然として厳しい状況にあり、一部の診療科の休・廃止などは、県民の生活に大きな不安を与えている。特に産科や小児科における医師不足は、地域の周産期医療に深刻な影響を及ぼしており、分娩施設の減少、妊婦の救急搬送におけるたらい回し等が大きな社会問題となっている。
 国はこれまで、医療制度を将来にわたって持続可能な制度へと再構築していくための構造的な改革に取り組んでいるが、急速な少子高齢化の中、医療サービスやそれに伴う保険財政は増大せざるを得ない状況である。
 加えて昨年末には、総務省より「公立病院改革ガイドライン」が示され、へき地医療、小児・周産期医療、救急医療など、採算性に乏しい地域の医療を支えてきた公立病院は、経営効率化を推進するため、病院そのものの存続を含めた見直しを求められている。
 地域医療は、住民の生命・健康に直結する必要不可欠な公共サービスであり、国民が安心と信頼の上に地域医療にアクセスできる医療提供体制を確保することは、国の責務である。
 よって、国においては、全国民が等しく安心、信頼できる医療を受けることができるよう、次の事項の実現を強く要望する。
                記
一 崩壊の局面に直面している地域医療を守るために、産科医師等の処遇改善のための財政的支援や地域周産期医療に対する助成など、地域医療の充実に要する財源の確保を図ること。
二 地域間や診療科間の偏在の解消を念頭に置き、医師臨床研修制度を見直すなど、医師の養成体制を再構築するとともに、看護師等の医療従事者の養成、確保のための支援を一層強化し、地域医療に必要な人材の確保に努めること。
三 地方自治体が「公立病院改革プラン」を策定するに当たっては、「公立病院改革ガイドライン」による画一的な指導・助言をすることなく、地域医療を確保する観点から、それぞれの自治体の主体性を最大限尊重すること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。

   平成二十年十月九日

                栃木県議会議長 石 坂 真 一

 内閣総理大臣  
 財務大臣  
             あて
 厚生労働大臣  
 衆参両院議長

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