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第1203号 米政策に係る意見書

番号 第1203号 議決年月日 令和4年3月18日
議決結果 可決
 議第24号

    米政策に係る意見書

 人口減少等を背景に米の消費が長期的に減退する中、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外食需要の激減などにより、適正水準を超える過剰な米の在庫が生じ、全国的に米価は大幅に下落した。本県では、JAが農家に支払う令和3年産米の概算金が前年から約3割下落し、農家の経営が圧迫されており、経営の継続への不安の声や後継者が就農をためらうなどの声も聞かれる。
 国では、米の需給や価格の安定を図るため、令和3年度補正予算において、米穀周年供給・需要拡大支援事業を計上し米の長期保管に要する経費に助成するとともに、令和4年度当初予算においても、作付転換に対する緊急対策支援を継続した。
 本県においても、今般の状況を踏まえて令和4年産米の作付参考値を設定し、市町、農業団体等の関係者が一体となって、稼げる水田農業の実現に向け、主食用米から収益性の高い露地野菜や麦・大豆等への作付転換を一層進めていくとともに、県産米の需要拡大を図るため、品質向上対策や輸出用米の産地育成などに取り組むこととしている。
 しかしながら、米の消費の減少の状況を踏まえると、米価は更に下落していくことが懸念されており、このまま米価の下落が続くと、地域農業を支える大規模経営の農家への影響は極めて大きく、本県の農業・農村の維持にも影響が出ると心配される。
 さらに、我が国の食料安全保障の観点からも、米農家が意欲を損なうことなく、安定的な米価の下、所得確保に努められるよう米政策を進める必要がある。
 よって、国においては、令和4年産米の需要の拡大や農家経営の安定を図るため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
                            記
1 米の過剰在庫の解消が図られるよう、国主導による米の需要喚起など消費拡大対策を講じること。併せて、新たな需要創出に向けた輸出の取組に対し支援を講じること。
2 令和4年産における主食用米から他作物への作付転換の促進に支障を来さぬよう、十分な予算を確保するとともに、戦略作物助成単価を維持するなど水田活用の直接支払交付金制度の恒久化を図ること。
3 飼料用米からの急な作付転換には農家の負担が大きいことから、産地交付金における加算措置の見直し等の制度改正に当たっては、現場の状況に十分に配慮すること。
4 水田における麦・大豆、飼料作物や収益性の高い園芸作物の増産を加速化していく必要があることから、生産者や農業団体等における施設整備や機械等の導入等について、より一層の支援の充実を図ること。
5 国の収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)や収入保険制度の更なる充実を図ること。特に、米生産に関しては、制度加入を需要に応じた米生産実施者に限定するなど、制度の見直しを図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  令和4年3月18日

                             栃木県議会議長  阿 部 寿 一

  内 閣 総 理 大 臣
  総   務   大  臣
  財   務   大  臣  宛て
  農 林 水 産 大 臣
  衆 参 両 院 議 長

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