◆四十三番(荒井光夫議員) オウム問題について緊急質問をさせていただきます。
 オウム真理教団の活動の中心的な拠点となった熊本県波野村や山梨県上九一色村などでは、多数の住民の並み並みならぬ努力と犠牲、また、警察の強制捜索のかいあって教団施設の解体、信者の転出などをなし遂げることができました。その後、教団幹部の逮捕と裁判の進行もあり、その活動は一時鳴りをひそめ、勢力も弱体したかに見えました。しかしながら、ここ数年、オウム真理教団は活動を再開し進出された各地域では、オウム真理教団と住民との激しい紛争が絶えない状況にあります。それらがついに本県もその例外ではなくなり、去る六月二十五日にオウム真理教関係者の転入届が大田原市に提出されました。松本智津夫の次男、次女が茨城県旭村から転出し、大田原市へ転入しようとするものであります。早速、転入地域の大田原市佐久山地区民代表、また、大田原市職員が旭村を訪問し、これが対応について調査をしてきております。大田原市はこの届けの受理を一時保留し、その取り扱いについて二十八日には、地域住民の声を踏まえ、不受理の方針を決定したところであります。佐久山地区の住民の皆様も、この問題が浮上して早々と監視小屋を設けて監視を続けられるとともに、オウム対策協議会を結成し、これまでの平和で静かな暮らしを守るために徹底的に対決する姿勢を示されておりますが、地区住民はもちろん地元市としても、この突然の事態に対して大きな衝撃と不安、そして、困惑を隠せない状況にあります。市当局が転入届について、超法規的な手段の不受理の方針を決定したことは、苦渋の選択であると思い、これを了とせざるを得ません。私はあの松本サリン事件や地下鉄サリン事件、坂本弁護士一家殺人及び死体遺棄事件等々数々の凶悪な事件を引き起こして世間を震撼させ、また、いまだに教団としての謝罪も反省も見られないオウム真理教団が大田原市に新たな拠点を設けるという事態に対して、地元住民の一人としても、一日も早い不安の解消を望むものであります。また、この問題はひとり大田原市だけの問題ではないと思います。今まで教団施設がなかった本県にとって、今後の展開を県民が重大な関心と不安を持って注視しております。そこで、県としてこの事態をどのように受けとめ、どう対応しようとしているのか、知事に所見をお伺いいたします。
 また、県警本部においてもどのような対応をとる考えなのか、特に、地元において不測不慮の事態を引き起こさないためにも、住民が安心して暮らしていけるようにするためにも、警戒監視体制を強化すべきと思いますが、県警本部長の考えを伺います。
 最後に、けさ地元の医師会の先生から連絡がございました。事件発生してまだ一週間でございます。この間に不安と苦悩の余り多くの地域住民が食欲がなくなった、眠れない、血圧が上がったというようなことで病院に押し寄せる患者が急増している。点滴のために地元病院も非常に混乱をしているんだという報告がございました。これらの状態をぜひともご勘案いただいて、早急な方針の決定を心から期待して質問を終わります。(拍手)